くらげです。
今回は木や草花などの植物との対話についてpart1です。
育てている植物が弱ってきたり
飾っている花がしおれてきたりした時に
優しく声をかけたら元気になった・・・
という体験談を聞いたことありますよね。
それってどうなの?
自分が直接体験したわけじゃないし
一部の巷の声でしょ・・・
そんな風にも思えてくるの、わかります。
そこで
木や草花などの植物に話かけると本当に元気になるの?
そんなみなさんの疑問を解決します。
結論から言うとYES
木や草花などの植物に話かけると元気になったりその声に応えてくれたりします。
<エビデンス>
<塚本こなみさんの実話から>
まずは塚本こなみさんのプロフィールを紹介します。
プロフィール
塚本こなみ
女性日本樹木医第1号、造園家(一級造園施工管理技士)
1949年 静岡県磐田市生まれ、現在は浜松市在住
造園家のご主人の仕事を手伝った後
1985年 「グリーンメンテナンス」設立
1993年 「環境緑化研究所」設立
1994年 過去4年間引き受け手が見つからず
難航していた大藤のオーナーからの移植依頼を受託
1996年 2年間の試行錯誤の末
あしかがフラワーパークの大藤移植を成功させる
1999年 あしかがフラワーパーク園長に就任
経営難の同パークを就任後わずか1年で黒字化実現
2013年 はままつフラワーパーク理事長に就任
来場者が年間30万人にも満たない閉園の危機
にあったった同パークを、わずか2年間で
年間77万人来場するまでに再生させた
公益財団法人浜松市花みどり振興財団理事長
2015年 6月立て直しに尽力した
あしかがフラワーパークの園長退任
メディア出演 2006年 NHK「プロフェッショナル」
2015年 テレビ東京「カンブリア宮殿」
樹木医としての実績
塚本こなみさんは、造園家であり、樹木医です。
樹木医とは…木と向き合い、木のこころに添って診断したり治療したりする
「木のお医者さん」のことです。
木は人間と違って、痛みや苦しみを言葉で訴えることができず
気づかれないと病気で枯れてたり弱っていってしまいます。
塚本こなみさんは、巨樹の古木の治療、
樹木をほかの場所に植え替える移植を全国各地で数多く手がけ、
弱った木々を何度も蘇らせてきました。
塚本こなみさんが、誰もが無理、失敗のリスクを背負いたくない、
不可能と思える巨樹の古木の移植や弱った木々の再生に
成功してきたのは、単なる「奇蹟」ではありません。
そこには、明らかな成功理論、成功哲学があったのです。
それは
木の声を聞き木の心を知る、木と対話する
ということです。
木は、本来長生きで、樹齢が100年…500年…1000年というのも珍しくありません。
今、現存している木は、
いくつもの時代を遡って先人たちが残してくれたものです。
長い間、時代や私たちの暮らしをずっと見続けてきてくれた存在とも言えます。
塚本こなみさんはそうした
木々に謙虚になって木の声に耳を傾ければ、
木は必ず応えてくれるし、いい方向に導いてくれる
と話されています。
その実践成功例の中でも特に有名なのが
栃木県足利市にある「あしかがフラワーパーク」の
樹齢140年(現在は樹齢160年)の4本の大藤です。
藤の移植ができるのは、幹の太さが60cmくらいまでと言われていたのに、
あしかがフラワーパークの大藤の幹の太さは1m以上もあったのです。
2年間の準備期間を経て、不可能だと言われた大藤の移植に成功しました。
ゆえに
このあしかがフラワーパークの大藤は「奇蹟の大藤」と呼ばれています。
不可能を可能にした大藤の移植とその大藤の魅力を日本中に、
世界に知らしめ経営難だったあしかがフラワーパークを1年で黒字に導いたことで
塚本こなみさんは一躍有名な人となります。
そして全国から藤の診断・相談が舞い込むようになり
藤を究めた専門家としての地位を絶対的なものにしました。
木との対話
木と対話することは、塚本こなみさんにとって日常のことで
特別のことではありませんが、著書からいくつかご紹介します。
大藤の移植が成功して3本の大藤が芽吹き出したのに1本だけ芽吹いていなかった時
幹に手を当てポンポンと軽くたたき
ねえ、あなたも早く目を覚ましてちょうだい。もう春なんですよ。いつまでも寝てないで、早く起きなさい。
と言いました。
すると9日目にはかわいい芽が出てきました。
毎朝、園内を1周し、樹木の様子を1本1本観察している時
大藤に
今日もたくさんのお客さんが来ますよ。あなたの1番美しい姿を、みんなに見てもらいましょうね。
幹に触れながら語りかけると
待ちに待った私たちの季節。今年もまたたくさんの人に見てもらえるのは本当にうれしいこと。私たちにとって、何よりも幸せなことです。
今年も無事にこの季節が迎えられて本当によかった。どうもありがとう…
感謝しなければならないのは私たちの方です。園長さんがいなければ、私たちは生きていられたかどうかもわからないのですから…本当にありがとうございました。
と応えてくれました。
大藤との語らいは尽きることがなかったそうです。
つらい時に励まし合い、嬉しい時には喜び合い、
いつも心を通わせてきたと言います。
木は生きていて命があるだけではなく心もあるということです。
樹木医としてどうあるべきか悩んだ時
浜松市の春埜山にある
樹齢1300年、幹回り14m、高さ48mの大杉に会いに行き、問いかけるそうです。
また会いに来ました。教えてください。もしあなたが具合が悪くなったら、どうしてほしいと思っているのですか。その時私は樹木医として、どこまで手を加えたらいいのでしょうか。
私はもう1300年も生きてきました。たとえ台風で枝を折られたり雷が落ちたりしても、虫や病気にむしばまれて朽ちることになっても、大自然の一員としてすべてを受け入れます。ありのままに、これからも生きていきます……
わかりました。たった60年しか生きていない私が治してやろうなんて思うのは、やっぱり、おこがましいことなのですね。
命あるものには寿命があり、いつか必ず死を迎えます。生きとし生けるものすべてが、いつかは果てるのです。私もこの大いなる自然の中で命を全うしたいと思いますが、まだまだ何百年もがんばります。
大杉からの教えが塚本こなみさんの心の奥底まで響き
すべてを包み込んで応えてくれたのを実感できるそうです。
古来より日本人は、自然や山々や木々には神様が宿っていると信じてきました。
富士山に登りご来光を拝んだり、神社などにあるしめ縄を巻いた「ご神木」と呼ばれる古木を拝んだりしています。
ご利益を望む行動としてご神木詣でをしたり、
ご神木に触れたりすることは今でもよくされていることです。
母校での訪問授業で小学生が証明
テレビの企画で母校、静岡県磐田市立福田小学校を訪れ、
6年生の子どもたちに授業を行いました。
学校の敷地内にある木の中からそれぞれ1本の木を選び、
1カ月間観察日記を書こうという内容です。
木と友達になってほしいと願い、子どもたちに、
木をゆっくり見つめ、さわったり言葉をかけたりするように言いました。
【子どもたちの反応と観察日記】
はじめ
おはよう。寒くない?
また来たよ。元気?
などと少し照れながら言葉をかけていました。
観察日記では
寒くないかと話しかけても返事はない。
今日も昨日と同じ。何も言ってはくれなかった。
などと書かれていました。
3週間後
木に向かって抵抗なく話しかけられるようになりました。
観察日記では
「寒くない?」と聞いたら「大丈夫だよ」と返事をしてくれた。
などと書かれていました。
木をいたわり優しく言葉をかけるうちに、木の声が聞こえたという子どもが増えてきました。
4週間後
子どもたちはさらに木と気持ちを通わせられるようになりまた。
観察日記では
「ぼくの悩みをじっと聞いて、励ましてくれた。」
「毎日、私が会いに行くのを楽しみに待っていてくれてるような気がする。」
「友だちになれたみたいでとてもうれしい。」
出典:「木の声がきこえますか」池田まき子著 岩崎書店
などと書かれていました。
1カ月の間に、子どもたちは、木の声が聞こえ、木の心と語り合えるようになったのです。
それだけでなく、木のぬくもりにいやされ、安らぎを感じるようになっていたのです。
塚本こなみさんは樹木医として、
子どもたちに木の大切さや木の役割などを
きちんと伝えていかなければという思いを強くもったそうです。
これまでのことから
木や草花などの植物に話かけると本当に元気になるの?
の疑問の解答は
結論 YES!
木や草花などの植物に話かけると元気になったりその声に応えてくれたりします。
私たちは自然や植物の恩恵を受けて生活しています。
木や自然のすばらしさに気づくことって大事ですね。
まず身近な植物に元気でいてもらえるように
植物の声を聞き、たくさん話かけてあげるきっかけになると
嬉しいです。
参考出典
「木の声がきこえますか」池田まき子著 岩崎書店
「奇跡の木」葉祥明 絵・文 塚本こなみ原作 下野新聞社
「おおふじひっこし大作戦」塚本こなみ 文 一ノ関圭 絵 福音館書店
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